維持管理・更新の容易性 長く住む上で不可欠な維持管理がしやすいことが大切

【維持管理対策等級3】 構造躯体に比べると耐用年数が短い内装や設備等に対して、専用配管を設けて維持管理がしやすいようになっていることが大切です。構造躯体に悪影響を及ぼすことなく、配管の維持管理ができ、更新(取替え)の際も工事費が高くならないような工夫が施されていることが必要です。

  1. 建築当初から、将来を見据えた定期的な点検や補修に関する計画を立てる
  2. 柱や梁など構造耐力上の主要な部分、雨仕舞いで重要な部分、給排水設備については、点検の時期と点検の内容を予め決めておき、10年以内毎に点検を実施する
  3. 維持保全に要する費用を毎年積み立てる
一般社団法人 住宅性能評価・表示協会
配管の清掃や補修のしやすさ、更新対策(維持管理・更新への配慮)

コンクリート内埋込み配管

排水管・給水管・給湯管のいずれも基礎の立ち上がり部分を除き埋込み配管がされていないことが必要です。又、さや管などフレキシブルな配管は、直接基礎が埋め込まれていないため、点検・清掃・補修が可能であり「コンクリート内への埋込み」にはあたりません。

地中埋設管上のコンクリート打設

長期優良住宅では、構造躯体に影響を及ぼさずに地中埋設管の維持管理ができるように地中埋設管の上にコンクリートを打設しないことが求められています。ただし、住宅の構造躯体に影響を及ぼさずに地中埋設管を維持管理できる場合であれば許されます。
  1. 基礎部にスリーブ管を埋め込んで配管する場合
  2. 建物の内・外部で、建物の躯体側と縁が切れている土間コンクリート
等が該当します。

専用排水管の清掃

排水管は、給水・給湯管と異なり専用配管のなかでも最もメンテナンスを要する部分で、管内の清掃もたびたび必要です。そのため排水管内部の清掃がおこないやすい内面の平滑な構造の配管で、掃除口や掃除の可能な排水トラップを設けることが必要です。

最近では、給水管にサヤ管ヘッダー工法が多く採用されていますが、この工法の利点は、将来の更新が簡単にできる点にあります。交換の際は、サヤに入っている内管を引き抜き、新しい配管を入れることで、容易に更新が可能です。維持管理等級3は、従来の先分岐配管方式でも可能ですが、サヤ管方式は、更新の容易性以外にも多くのメリットがありますので、是非採用をお勧めします。

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